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こどもの胃腸炎(ウイルス性胃腸炎)

小児科専門医からのひとこと

お子さまが胃腸炎になったときに、特に注意しなければならないのは脱水と低血糖です。

  • 嘔吐が1日に5回以上続く場合
  • 下痢が1日に10回以上ある場合

このようなときは、特に注意が必要です。

水分補給を「お茶や水だけ」で行うと、糖分や電解質が不足してしまうことがあります。そのためOS-1、アクアライトなどの経口補水液や薄めたジュースなどを飲ませることをおすすめします。普段は「甘い飲み物をあまり与えたくない」と思う方も多いと思いますが、胃腸炎のときには必要になる場合があります。
脱水や低血糖の重症度をご家庭で正確に判断するのは難しいため、心配なときは医療機関を受診しましょう。

胃腸炎とは

胃腸炎胃腸炎は、ウイルスや細菌などが原因で起こり、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの消化器症状を引き起こす病気です。小児ではウイルス性胃腸炎の頻度が多く、代表的なものにロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなどがありますが、検査で特定できないウイルスも多く存在しています。

感染経路と症状

感染経路:経口感染、接触感染、飛沫感染

特に乳幼児は手を口の中に入れることが多いため、ウイルスや細菌が付着した手を介して感染するリスクが高くなります。

症状:嘔吐、下痢、腹痛、発熱、食欲不振

通常、嘔吐は半日~2日ほどで落ち着くことが多く、下痢は約1週間続きます。発熱は出ない場合もあり、細菌性腸炎の方がウイルス性胃腸炎より高熱になりやすい傾向があります。

診断と検査

症状や身体所見から診断します。
必要に応じて以下の検査を行うことがあります。

  • 迅速検査(ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなど)
  • 便培養検査(細菌性腸炎が疑われるとき)

治療と家庭でのケア

下痢に対しては整腸剤、嘔吐に対しては吐き気止めを処方することがあります。
最も大切なのは、こまめな水分補給です。

水分補給・食事の進め方

  • 経口補水液(OS-1、アクアライトなど)が最も適しています。
  • スプーン1杯程度のごく少量から始め、嘔吐がなければ、5~10分おきに少しずつ与えましょう。
  • 嘔吐が落ち着いてきたら、消化のよい食事(おかゆ、うどんなど)を少量から始めます。

皮膚トラブルの予防

皮膚トラブル下痢が続くと、便に含まれる消化酵素や酸の刺激によって、おむつかぶれを起こしやすくなります。便が皮膚に長時間触れていると、赤みやただれが悪化するため、以下のポイントに注意して予防しましょう。

  • おむつは普段よりこまめに交換する。
  • 便を拭くときは強くこすらずに、やさしく拭くか、ぬるま湯で洗い流す。
  • ワセリン、亜鉛華軟膏、アズノールなどの薬を使い、皮膚を便の刺激から守る。たっぷりと薬を使うことも大切です。

感染を拡大させないためにできる家庭での注意点

  • 嘔吐物や便の処理は、使い捨て手袋・マスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。
  • こまめに石けんで手洗いを行いましょう。

登校・登園について

胃腸炎は、腸管出血性大腸菌(O157など)などの特別な病原体を除いて、出席停止期間は学校保健安全法で定められていません。
下痢・嘔吐症状が治まり、食欲と元気が戻れば、登園・登校が可能です。
ただし、便中には回復後も数週間はウイルスが排出され続けるため、手洗いをしっかり続けることが大切です。

よくある質問(Q&A)

整腸剤を飲めば、下痢はすぐに治まりますか?

整腸剤を飲んでも、下痢がすぐに止まるわけではありません。下痢の期間を少し短くする効果が期待できます。

ミルクや母乳は飲ませて大丈夫ですか?

はい、問題ありません。嘔吐がある場合は、少量ずつ様子をみながら与えてください。

脱水のサインにはどのようなものがありますか?

尿が出ない(おむつ替えの回数が減る)、口や唇が乾く、ぐったりする、泣いても涙が出ないといった場合は、脱水の可能性があります。早めに医療機関を受診してください。

家族にうつらないようにするにはどうしたらよいですか?

嘔吐物や便は正しく処理し、石けんでの手洗いを徹底しましょう。