- 5歳を超えても続くおねしょは、夜尿症?
- 夜尿症とおねしょの違い
- おねしょの主な原因
- 夜尿症診察の流れ
- おねしょ(夜尿症)の治療
- おねしょ(夜尿症)で受診する目安は?
- おねしょ(夜尿症)に関するよくある質問
5歳を超えても続くおねしょは、
夜尿症?
尿を膀胱に溜めておいてトイレで排泄する習慣は、膀胱機能やホルモン分泌が発達してはじめて可能になります。就寝中の排尿抑制を無意識にコントロールできるようになるまでの期間には特に個人差が大きく、昼間は完全におむつを卒業してからもおねしょが続くことはよくあります。おねしょは次第に少なくなっていきますので、幼いうちは焦らずに見守ることが重要です。
ただし、なかなかおねしょがなくならないと、お子さま本人も保護者の方も心配になると思います。夜尿症は5歳を超えたことを年齢的な目安としていますが、それ以前でもおねしょが気になってしまうことがありましたらお気軽にご相談ください。
夜尿症とおねしょの違い
夜尿症とおねしょの主な違いは「年齢」と「症状の頻度」です。
日本夜尿症学会では「夜尿症」を下記のように定義しています。
- 5歳以上のこども
- 1ヶ月に1回以上寝ている間におねしょをすることがある
- 上記の状態が3ヶ月続いている
一方でおねしょは、膀胱の働きが未熟なために起こる生理的な現象で、トイレトレーニングで改善がみられていきます。
おねしょの主な原因
おねしょの主な原因となっているのは以下の3点です。
- 睡眠中の抗利尿ホルモン分泌が少ない(夜間の尿量が多い)
- 膀胱容量が小さい
- 睡眠中の尿意に気付かない
通常、5歳ころになると脳の排尿抑制機構が発達し、おねしょが解消されます。
ただし、おねしょがなくなる時期には個人差が大きく、夜尿症の有病率は5歳で15%、7歳で10%にとされています。
おねしょの原因には、尿崩症・糖尿病・過活動膀胱・尿路感染症・二分脊椎などの疾患が関与しているケースも存在します。5歳を超えてもおねしょが続く場合には、こうした疾患の有無を確かめるためにも受診をおすすめしています。
夜尿症診察の流れ
1初回の診察
初回の診察では、お子さまのおねしょの頻度や生活リズム、排便の様子などもお伺いいたします。また、必要に応じて尿検査などのお子さまへの負担が少ない検査を行います。排尿日誌などがありましたらご持参ください。
2再診
尿検査などの必要な検査や診察を行ったうえで、生活習慣の見直しだけでは改善しない場合には、お薬の使用やアラーム療法など、適切な方法を一緒に考えていきます。夜尿症以外の病気が疑われる場合などには、専門の医療機関をご紹介させていただくこともあります。
おねしょ(夜尿症)の治療
夜尿症は、自然に治まることが多い反面、小学校入学後にも続いて宿泊を伴う行事に参加しにくいなど、お子さまや保護者の方のストレスやコンプレックスになるケースが少なくありません。余計な心理的負担から解放されるためにも、小学校入学前の積極的な夜尿症治療は有効です。治療を行うことで、夜尿症の治癒率が高くなるだけでなく、治癒までにかかる期間を短縮できることも分かっています。
夜尿症の治療は、アラーム療法と薬物療法の2つが基本です。アラーム療法は夜間の尿意覚醒や膀胱機能改善を目的に行い、薬物療法は尿産生や排尿機構に作用する薬が使われています。治療は、どちらか一方から始める場合もあれば、アラーム療法と薬物療法を併用して開始することもあります。
当院では、お子さま本人と保護者をはじめとしたご家族のライフスタイルやペースに合わせた診療を心がけています。
当院では、半年〜1年以内での改善を目指します。
夜尿症の治療期間はお子さまによって個人差があるため、焦らずゆっくりと改善を目指していきます。当院では半年から1年ほどを目標に治療計画を行っていきます。お子さまは、ご家族が思っている以上におねしょのことを気にしているかもしれません。安心して治療に取り組んでいただけるよう、お子さまとご家族のペースに寄り添いながらサポートさせていただきます。お気軽にご相談ください。
おねしょ(夜尿症)で
受診する目安は?
5歳を超えてもおねしょが続く場合には、受診をおすすめしています。4歳までの間は、焦らずに見守っていただいても問題はありません。ただし、他に症状がある場合など、小児科専門医に相談したいと思われたら、年齢に関わらず遠慮なくご相談ください。
おねしょ(夜尿症)に関する
よくある質問
おねしょが続くのは、家族に責任がありますか?
夜尿に保護者の方のしつけや育て方は全く関係がありません。おねしょはネガティブに捉えられやすく、精神論的に語られてしまうことがありますが、お子さまが自分ではコントロールできないからこそおねしょが続いてしまうのです。多くの場合、お子さま本人もおねしょが続くことをストレスとして感じており、叱ることはマイナスの効果しかありません。保護者の方がこうしたことを理解し、ポジティブに接してあげることがとても重要です。
宿泊行事で、当日にできる対策はありますか?
学校の先生にしっかり伝えて、協力してもらいましょう。それ以外にもお子さまが可能な対策もあります。
お子さまが行う対策
- 夕食後は、寝るまでの飲みものをできるだけ控える
- 寝る前に必ずトイレに行く
先生に協力を頼む内容
- 大人が寝る時間や真夜中に、1度トイレに起こしてもらう(宿泊行事の時だけの特別対応)
- おむつや市販のおねしょパンツを持参する場合、着用時と翌朝普通のパンツに替える際に、周囲が気付かないよう配慮してもらう
おねしょが続くので、夜中に起こしてトイレに行かせる方がいいですか?
こどもが寝ている間は無理に起こさないでください。就寝中、からだは尿の量を減らすために尿を濃くする抗利尿ホルモンを作っています。寝ているのに起こしてしまうと、このホルモンが十分に作られず、就寝中の尿量が増加する可能性があり、逆効果になってしまいます。
夜寝るときはおむつとパンツのどちらを履かせた方がいいですか?
現時点では、夜尿症の治療において「おむつ」と「パンツ」のどちらが優れているかについて、明確な結論は出ていません。お子さまと保護者の方で相談して決めていただいて構いません。
個人的な考えとしては、「毎日夜尿がある」など夜尿の頻度が多いうちは、おむつを履いて寝ることをおすすめします。治療を続けて夜尿の回数が減り、週に2〜3回程度になってきた頃が、パンツで寝ることを試してみる良いタイミングです。
お子さまによっては、パンツで寝ることで少し緊張感が生まれ、夕食後の水分制限を自ら意識するなど、良い方向に働くこともあります。
お子さまの様子を見ながら、適宜相談して一緒に進めていきましょう。
