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溶連菌・アデノウイルス(プール熱)

小児科専門医からのひとこと

喉が痛い溶連菌感染症とアデノウイルス感染症は、いずれも高熱と喉の痛みを主な症状とする感染症です。いずれも迅速検査で診断が可能ですが、治療方針には違いがあります。溶連菌感染症では抗菌薬による治療が必要となる一方、アデノウイルス感染症では特効薬がなく、通常のかぜよりも高熱が長引く傾向があります。 そのため、喉の痛みと高熱がある場合には診察でのどの所見を確認し、必要に応じて検査を行います。ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症は溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)という細菌が喉に感染して起こる病気です。2〜10歳のこどもに多く、発熱や喉の痛みが主な症状です。

溶連菌感染症の感染経路

飛沫感染(咳やくしゃみ)や 接触感染(手指を介して)によって広がります。

溶連菌感染症の症状

主な症状は発熱と喉の痛みです。そのほかに以下のような症状が見られることもあります。

  • 嘔吐
  • 皮膚の赤い発疹
  • 舌にブツブツが出て赤くなる「いちご舌」
  • 扁桃腺に白い膿(白苔)がつく
  • 首のリンパ節が腫れて痛む

溶連菌感染症の診断と検査

喉の奥を綿棒でこすって調べる迅速検査により診断が可能です。
ただし、症状がないこどもの約10〜20%は溶連菌を保菌しているといわれています。発熱や喉の痛みがない場合に検査を行うと偽陽性となることがあり、不必要な抗菌薬治療につながってしまいます。その結果、耐性菌の増加や下痢などの副作用を招く可能性もあるため、症状や喉の所見があるときに検査を行うことが大切です。

溶連菌感染症の治療

溶連菌はウイルスではなく細菌なので、治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服です。
通常、抗菌薬を飲み始めてから1〜2日で熱は下がります。ただし、熱が下がっても自己判断で中止せず、医師に指示された日数をしっかり飲み切ることが大切です。途中でやめてしまうと菌が残り、リウマチ熱などの合併症を起こすリスクが高くなります。

溶連菌感染症の家庭でのケアと再診の目安

喉の痛みが強く食欲がない場合は、うどん・ゼリー・プリンなど飲み込みやすいものを与えてください。

  • 抗菌薬を飲み始めて2日経っても熱が下がらない場合は再度受診が必要です。
  • 感染後2〜4週間たってから、まれに腎臓に炎症を起こすことがあります。血尿や顔のむくみなどが見られた場合は、必ず受診してください。

溶連菌感染症の登校・登園について

溶連菌感染症は学校保健安全法で出席停止の対象となっている感染症です。
抗菌薬の内服を始めてから24時間が経過し、熱が下がっていれば、登校・登園可能です。これは、抗菌薬を飲み始めてから24時間が経つと、感染力がほとんどなくなるためです。

溶連菌感染症のよくある質問(Q&A)

薬は1日3回きちんと飲まないとだめですか?

溶連菌感染症の治療でよく使われるペニシリン系の抗菌薬は、基本的に1日3回の内服が必要です。保育園や学校の都合で昼に薬を飲めない場合は、自己判断で回数を減らさず、必ず医師に相談してください。

抗菌薬を飲み始めてから体が赤くなりました。薬のアレルギーでしょうか?

抗菌薬によって溶連菌が死滅すると、その際に出る外毒素の影響で赤い発疹(発疹がかゆい場合もあります)が出ることがあります。必ずしも薬のアレルギーとは限りませんが、医師に相談することが大切です。

大人にも感染しますか?

はい、感染します。飛沫感染や接触感染によって家族に広がることもあるため、手洗い・うがいを徹底し、タオルや食器を共用しないようにしましょう。

アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症

アデノウイルスというウイルスによる感染症で、幼児から学童期まで幅広い年齢のこどもにみられます。アデノウイルスには50種類以上の型が存在し、型の種類によって症状が異なります。
代表的なものに咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎(はやり目)があり、特に咽頭結膜熱では40度近い高熱が5日以上続くことも珍しくありません。

 

アデノウイルス感染症の感染経路

アデノウイルスは感染力が非常に強いウイルスです。

  • 飛沫感染(咳やくしゃみ)
  • 接触感染(手指やタオルを介して)

によって広がります。アルコール消毒に加え、石けんと流水による手洗いが重要です。

アデノウイルス感染症の症状

アデノウイルスの型によって異なりますが、主な症状は以下の通りです。

  • 39~40度近い高熱(3~7日間続くことが多い)
  • 喉の痛み
  • 結膜炎(目の充血・目やに)
  • 扁桃腺の腫れや白苔(膿)
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 嘔吐・下痢(アデノウイルス胃腸炎)

アデノウイルス感染症の診断と検査

喉や結膜の分泌物を綿棒で採取し、迅速検査で診断が可能です。
ただし、迅速検査ではアデノウイルスの型まで特定することはできません。
ウイルス感染なので、治療方針に大きな影響はありませんが、

  • 長引く高熱の原因を特定するため
  • 結膜炎がある場合には出席停止の期間が定められているため

などの目的で検査を行います。

アデノウイルス感染症の治療

アデノウイルスに対する特効薬はありません。治療は対症療法が中心です。

  • 発熱には解熱薬を使用
  • 結膜炎がある場合には点眼薬を使用

アデノウイルス感染症の家庭でのケアと再診の目安

  • 喉の痛みが強く食欲がない場合は、うどん・ゼリー・プリンなど飲み込みやすいものを与えてください。
  • 高熱が続くときは水分不足に注意し、こまめに水分補給をしましょう。
  • 発熱が7日以上続く、水分がとれない、ぐったりしているといった場合には、再受診が必要です。

アデノウイルス感染症の登校・登園について

アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱、流行性角結膜炎)は学校保健安全法で出席停止の対象となっている感染症です。出席停止の期間は以下の通りです。

  • 咽頭結膜熱(プール熱):主要症状(発熱、結膜炎など)が消えてから2日経過するまで
  • 流行性角結膜炎(はやり目):症状がなくなり、医師が「感染のおそれがない」と判断するまで

これは感染力が非常に強く、症状が治まっても数日間はウイルスが排出され続けるためです。

一方、迅速検査でアデノウイルス陽性となった場合でも結膜炎症状がない場合は、通常のかぜと同様に、「解熱後24時間経過」で登校・登園が可能です。

アデノウイルス感染症のよくある質問(Q&A)

高熱が続いて心配ですが、抗菌薬は効かないのですか?

アデノウイルスはウイルスによる感染症なので、抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。不要な使用は副作用や耐性菌の原因になるため、適切な対症療法を行います。

大人にもうつりますか?

はい、感染します。特に結膜炎(はやり目)は大人にも強い感染力があります。家庭内ではタオルの共用を避け、こまめな手洗いを心がけましょう。

目の充血や目やにがあるときは、小児科と眼科どちらを受診すべきですか?

発熱もある場合には、まず小児科を受診することをおすすめします。目の症状が強い場合には眼科を紹介されることもあります。