おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)とは?
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)とは、おむつが触れる部分の皮膚に起こる炎症のことです。
おしり・肛門まわり・性器・鼠径部などが赤くなったり、ブツブツができたり、ひどくなると皮がむけて、ただれてしまうこともあります。
乳幼児期にはとてもよくみられる皮膚トラブルで、多くの赤ちゃんが一度は経験します。
おむつかぶれの原因
おむつかぶれは、いくつかの刺激が重なって起こります。
- 尿や便による刺激
- おむつの中のムレ(高温・多湿)
- おしり拭きやこすりすぎによる摩擦
- 下痢・回数の多い排便
- 皮膚のバリア機能が未熟なこと
特に胃腸炎のときやおむつ替えの間隔があいてしまったときに起こりやすくなります。
カンジダ皮膚炎について
おむつの中は高温・多湿になりやすく、カンジダというカビ(真菌)が増えやすい環境です。
見た目はおむつかぶれとよく似ていますが、治療方法が異なるため、正しい診断が大切です。
以下のような場合は、カンジダ皮膚炎を疑って受診を検討しましょう。
カンジダ皮膚炎を疑う特徴
- 皮膚のしわの中(太ももの付け根など)まで赤くなる
- 赤みの周囲に、ポツポツした小さな発疹(丘疹)が出る
- 塗り薬(保護薬やステロイド外用薬など)を使っても改善しない
おむつかぶれとの違い・診断について
頻度としてはカンジダ皮膚炎よりも、おむつかぶれの方が多いです。おむつかぶれとして治療を行っても1週間以上改善がみられない場合には、カンジダ皮膚炎が隠れている可能性があります。
皮膚科では、皮膚を軽くこすって検体を取り、顕微鏡で観察することで診断を行うこともあります
おむつかぶれの治療
おむつかぶれの治療で最も大切なことは、
「便や尿が直接皮膚に触れる時間を、できるだけ短くすること」です。そのために、次のような塗り薬を使い、皮膚を保護・治療していきます。
処方薬の例
ワセリン/プロペト
症状が軽い場合に、皮膚を保護する目的で使用します。便や尿の水分をはじいてくれるため、赤みがない時期に、おむつかぶれの予防として使うのも有効です。
亜鉛華軟膏/亜鉛華単軟膏
「酸化亜鉛」という成分に、炎症をやわらげる作用と、浸出液を吸収して乾燥させる作用があります。患部にたっぷりと、分厚く塗ることが重要です。副作用が少なく、1日に何度も使用できるため、おむつ替えのたびに重ね塗りをしましょう。
アズノール軟膏(ジメチルイソプロピルアズレン)
「アズレン」という成分に、痛みや痒みを抑え、傷の治りを促進する作用があります。
青色が特徴的な薬です。
ステロイド軟膏(ロコイド、キンダベートなど)
炎症を抑える効果があり、赤みが強い場合や、びらん(ただれ)がある場合に使用します。長期間の使用は、カンジダ皮膚炎の発症や悪化のリスクになるため、医師の指示のもとで使用し、定期的に状態を確認しながら、中止時期を決めていきます。
抗真菌薬(ニゾラール、ルリコンなど)
通常のおむつかぶれの治療で効果が乏しい場合や、顕微鏡でカンジダの存在が証明されたときに使用します。
一般的に1~2週間ほど、塗布を継続します。
家庭でのケア
ご家庭でも、次のような点を意識してケアしてあげることが大切です。
- おむつ交換をこまめに行う
- こすらず、優しく拭く(塗り薬は毎回拭き取る必要はありません)
- ただれがひどい場合は、おしり拭きではなく、ぬるま湯で汚れを洗い流す
- お尻を拭いたあとは、よく乾かしてから新しいおむつに替える
- 普段から予防にワセリン/プロペトを塗る
受診の目安
次のような場合は受診をおすすめします。
- 赤みが強い、ジュクジュクしている
- おむつ替えのとき、排尿時、入浴時に痛がる
- 数日ケアしても改善しない
おむつかぶれのよくある質問(Q&A)
市販のおむつかぶれの薬を使ってもいいですか?
ワセリンや亜鉛華軟膏は市販薬でも購入できます。症状が軽い場合は、市販薬を使用して様子をみていただいても構いませんが、数日たっても改善しない場合や、赤みが強い場合は、医療機関への受診をおすすめします。
何日くらいで良くなりますか?
軽い赤み程度であれば、治療開始から数日で改善することが多いです。
皮膚がただれてジュクジュクしている場合は、完全に治るまでに2~3週間かかることもありますが、治療を開始すれば、多くの場合は比較的早い段階から改善がみられます。
保育園や幼稚園でも薬を塗ってもらった方がいいですか?
おむつかぶれの治療では、おむつ替えのたびに塗り薬を使うことがとても大切です。
園と相談のうえ、可能であれば日中のおむつ替えの際にも塗ってもらうことをおすすめします。医師からの指示書が必要な場合は対応しますので、お気軽にご相談ください。
何科を受診すればいいですか?
小児科・皮膚科どちらでも対応可能です。まずは通いやすい方に相談していただき、カンジダの検査をしたい場合には皮膚科を受診していただく方がよいでしょう。
