- 水いぼ(伝染性軟属腫)とは
- 水いぼの症状 痛みや痒みは?
- 水いぼの感染経路
- 水いぼの経過 どのくらいで治る?治療は必要?
- 受診の目安
- 水いぼの治療
- 当院の考え方
- 水いぼの登園・登校について
- 水いぼのよくある質問(Q&A)
水いぼ(伝染性軟属腫)とは
水いぼは、ウイルス性による皮膚の感染症で、「伝染性軟属腫ウイルス」が原因ウイルスです。
直径1~5mm程度の小さな発疹(丘疹)ができ、表面がつるっとして、水っぽく光沢があるのが特徴です。
はじめは1個から数個程度ですが、徐々に数が増えていきます。
主に2~6歳くらいの幼児に多くみられ、アトピー性皮膚炎のこどもにできやすい傾向があります。
水いぼの症状 痛みや痒みは?
水いぼができ始めた初期には、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどなく、気づかないことも少なくありません。でき始めてから1〜2か月ほどで数が増え、10〜20個以上になることもあります。
経過の中で、
- まわりの皮膚がざらざらする
- 乾燥や湿疹が出てくる
- 赤くなってかゆみが出る
といった変化がみられることがあり、これを「モルスクム反応」と呼びます。この状態になると、かゆみのために掻いてしまうことが増えてきます。掻き壊してしまうと、水いぼの中のウイルスが周囲に広がり、さらに数が増えたり、体の別の場所へ広がってしまうことがあります。
水いぼの感染経路
水いぼは、接触感染によってうつる病気です。
水いぼのある皮膚に直接触れることで感染するほか、患児が使用した物を介して間接的に感染することもあります。
具体的には、以下のような場面でうつります。
- 皮膚と皮膚の直接の接触
- タオル・浮き輪・ビート板などの共有
- ひっかいて別の場所に広がる(自己感染)
特に、きょうだいが水いぼにかかっている場合や、集団生活の中では感染が広がりやすくなります。
水いぼの経過 どのくらいで治る?治療は必要?
水いぼは、自然に治る病気です。
ただし、完全に消えるまでに半年〜3年ほどかかることもあり、その間に数が増えたり、広範囲に広がってしまうケースも珍しくありません。
そのため当院では、
水いぼの数が少なく、広がる前の段階での治療をおすすめしています。
お子さまの年齢、水いぼの数、皮膚の状態、ご家庭の希望に応じて、経過観察も含めて一緒に治療方針を相談していきますので、お気軽にご相談ください。
受診の目安
このような場合は、お気軽にご相談ください。
- 水いぼかどうか分からない
- 数が増えてきた
- かゆみ・湿疹が強い
- 早く治したい
- 治療方法を相談したい
水いぼの治療
水いぼの治療にはいくつかの選択肢があり、お子さまの年齢・水いぼの数・皮膚の状態・ご家族の希望に応じて、組み合わせて行うこともあります。
当院では、それぞれの治療のメリット・デメリットを丁寧に説明したうえで、一緒に治療方針を決めていきます。
ピンセットでの摘除
水いぼが少数の場合は、ピンセットでつまんで取り除く方法が最も確実で、早く治ります。
麻酔のテープを適切に使用すれば、ほとんど痛みなく除去することが可能です。
(※皮膚が薄い部位〔首・わきの下・膝裏など〕では、痛みが出ることがあります)
寝転んでタブレットなどで動画を見ながら行うと、処置に気づかないお子さまも多い一方で、3歳未満のお子さまでは、痛みよりも「怖さ」で泣いてしまうこともあります。
また、水いぼの数が多い場合は、1回で取りきれず、他の治療法を併用した方がよいこともあります。
※当院では現在、ピンセットでの摘除は行っておりません。
ご希望がある場合には、対応可能な近隣の皮膚科クリニックをご紹介いたします。
メリット
- 即効性がある
- 確実に除去できる
注意点
- 部位によっては痛みが出る
- 小さなお子さまでは恐怖感が強いことがある
銀イオン配合クリーム(自費診療)
比較的新しい治療法で、水いぼに塗る外用薬です。
塗布開始から2週間〜2か月ほどで赤く変化し、その後1か月前後で徐々に水いぼが消えていきます。治療開始から平均2〜3か月程度で改善すると報告されていますが、効果には個人差があります。
水いぼの範囲が狭い場合は1本で治療を終えられることもありますが、複数箇所にある場合は4〜5本程度必要になることもあります。
まずは効果が出るかどうかを見る目的で、1本から試していただくことをおすすめしています。
※保険適用外(自費診療):1本 2,200円(税込)
メリット
- 痛みがない
- 小さなお子さまに使いやすい
- 効果が出ることも多い
注意点
- 効果が出ないお子さまもいる
- 自費診療
飲み薬(漢方:ヨクイニン)
ヨクイニンは、いぼや皮膚トラブルでよく使われる漢方薬です。
消炎作用や、体の余分な水分を排出する作用があるとされています。すぐに効果が出る薬ではなく、内服を続ける必要があります。
味の問題で、内服が難しいお子さまもいます。
内服できる場合は、銀イオン配合クリームと併用することもあります。
メリット
- 体質改善を目的とした治療
- 外用と併用できる
注意点
- 効果が出るまで時間がかかる
- 飲めないお子さまもいる
液体窒素による凍結療法
液体窒素をしみこませた綿棒などを水いぼに当て、凍結させて取る治療です。
2週間に1回程度、3〜5回ほど通院して行います。
麻酔を使用したピンセットでの摘除より、痛みを感じるお子さまが多いのが特徴です。
※当院では行っておりません。
注意点
- 痛みが出やすい
- 複数回の通院が必要
経過観察
水いぼは自然に治る病気のため、「治療せずに様子を見る」という選択肢もあります。
ただし、かゆみが強い場合や、掻いて広がっている場合はあまりおすすめできません。
メリット
- 治療による負担がない
注意点
- 治るまでに半年〜数年かかることがある
- 増えることがある
当院の考え方
当院では、
「数が少ないうちに・広がる前に対応する」ことをおすすめしています。
無理に治療を押しつけることはありませんので、
「取った方がいいのか」「様子を見ていいのか」「どの方法が合っているか」
お気軽にご相談ください。
水いぼの登園・登校について
水いぼには、学校保健法で定められた出席停止期間はありません。
園や学校によっては、医療機関への受診を促されることも多いです。
皮膚が触れ合うことで感染を広げてしまうリスクがありますので、服で隠れる場所以外にある場合は早めに対応することも検討しましょう。
水いぼのよくある質問(Q&A)
水いぼは放っておいても治りますか?
はい。水いぼは自然に治る病気です。
ただし、完全に消えるまでに半年〜3年ほどかかることもあり、その間に数が増えたり、全身に広がってしまうこともあります。
痛みや痒みはありますか?
初期はほとんど痛みや痒みはありません。
しかし、経過の中で湿疹が出てくると(モルスクム反応)、痒みが強くなることがあります。
掻き壊すと水いぼが増えてしまったり、とびひ(伝染性膿痂疹)を引き起こすことがあるので、痒みがある場合は早めの受診をおすすめします。
プールやお風呂は入っても大丈夫ですか?
水いぼがあっても、基本的にプールや入浴は禁止ではありません。
ただし、
- タオルや浮き輪の共有をしない
- 皮膚のこすれ合いを避ける
- 可能であればラッシュガードで覆う
などの配慮が大切です。
園や学校のルールがある場合もあります。
きょうだいにうつりますか?
はい。皮膚の接触や物の共有によってうつることがあります。
登園・登校はしてもいいですか?
水いぼがあっても、保育園・幼稚園・学校を休む必要はありません。
何科を受診すればいいですか?
水いぼは小児科・皮膚科どちらでも対応可能です。医療機関によって対応方針や治療内容が異なることがありますが、ピンセットでの摘除を希望される場合は、皮膚科で対応している医療機関が多いのが一般的です。
水いぼをつぶしてもいいですか?
ご家庭でつぶすことはおすすめできません。
細菌感染を起こしたり、ウイルスが広がって数が増える原因になります。
治療を希望される場合は、医療機関で適切な処置を受けましょう。
